院名と青いユニフォームで微笑む男性の画像。謎の黄色い看板
2020年7月25日
こんにちは
かんばんPOLICE わたべ純子です。
POLICEは、創成川通りで見かける
黄色い広告看板(*以後看板)が
以前から気になっていました。
院名と青いユニフォームの男性のみで
同じものが縦に2枚ついています。
この看板のように、
場所や土地を借りて
施設を案内する看板を
「媒体看板」「ロードサイン」などと言います。
施設の名称と目的地までの簡単な誘導で
「次の信号右折○○のとなり」とか、
「何キロ先右側」などと記すのですが
この看板は写真のとおり
文字情報は院名のみ。
いったいどこにあるのか
診療時間はどうなのか
専門は何なのか
わかりません。
その医院は札幌に存在しなかった
看板にURLは記されていませんが、
検索すると所在地は道外でした。
所在地には媒体看板がいくつもあって
細かな情報が書かれています。
確かに札幌で細かな情報が書かれていても
意味がありません。
では何故、看板を付けたのでしょう。
看板は製作・取付費用をはじめ
設置する場所代、行政への申請など、
設置したあとも継続して費用は必要です。
看板は見る側に情報を伝える媒体
看板は掲出する側(送り手)が見る側(受け手)に
情報発信をする媒体です。
決められた大きさの中で解りやすく
効果的にアピールすることが要となりますが、
見る側が受け入れてくれなければ意味がありません。
黄色の下地に院名が書かれ、青いユニフォームを着て
微笑む男性の大きな看板が縦に2つ並んで
車窓から見えるその場所は
そこを通る度に見ようとする意志がなくても
否応なしに目に入ります。
逆に見る側が受け入れる、とは
自らが見る事でその行為を継続することです。
つまり
掲出する側のメッセージが
見る側に伝わることで
双方のコミュニケーションが成立し
見る側の行動に繋がります。
その医院は見る側に何を伝えたいのでしょう。
微笑む男性が札幌の人なのか
大学が札幌だったのか
札幌に住む彼女へのメッセージなのか
いずれにしても考えられるのは
見る側がそこに住む人が対象ではない、
ということです。
見る側に伝わるためにはこうすべきだった
その医院は確かにに存在しますが
札幌で看板を見た、と訪れる人が果たしているでしょうか。
広告効果があるとは考えにくく
見る側へのメッセージがわかりません。
この医院の広告のように、
医療や飲食関係で
本人の似顔絵や画像を使った看板が
多くみられます。
「屋外広告物の広告効果を向上させる表現方法に関する研究」
(2018/中牟田麻弥氏 博士論文)の中で
全国133名に60種類の広告物の表示の評価を
分析したデータによると
「人物の画像を掲載することは受け入れにくく、
送り手の一方的なアピールといえる傾向がある。
今回の調査では人物画像を掲載した広告は
有名か無名に限らず評価が低かった。
病院長や店主の似顔絵や写真などは、
文字どおり看板を背負って、
信頼感や親近感を伝える意図だと思われるが、
受け手によっては
公共空間に知らない人物が
デカデカと掲示されることに
違和感をもつこともある」
と書かれています。
良かれと思った画像は
掲出する側の自己満足にすぎません。
一方的なアピールを改善し
見る側とのコミュニケーションを
成立させることが必要です。
画像の男性の爽やかな微笑が
心なしかむなしく見えてきました。
・・・ということで
今日のPOLICEはここまで。
Sincerely yours,
POLICE